89歳の母が緊急入院しました。
母は埼玉、私は長野に住んでいるため、父からの電話で知らせを受け、あわてて新幹線で埼玉へ。
今までも毎日のように、あっちが痛いこっちが痛いと言ったり、できることがだんだん少なくなってきてしまった母。
今回の入院では認知症の症状が強く出てきてしまい、ついにこの時が来たのか!ととても不安になりました。
母の入院でわかったこと、感じたこと。
入院3日目~1週間くらいで現れる認知症状
今回の母の病状は、大腸に「憩室」というものができてしまい、そこに菌が入って炎症を起こす「憩室炎」でした。
「憩室」自体はできても大きな問題はないらしいのですが、そこに菌が入ってしまうと「憩室炎」になってしまって、激痛や嘔吐などの症状が出るようです。
酷い症状の方は、腸に穴が開いてしまい、即手術を必要とするそうです。
人工肛門を付けなくてはいけない場合もあるとか。
幸い、母の症状はそこまでひどいものではなく、腸に穴は開いていませんでした。
けれど炎症が治まるまでは、水も食べ物も一切厳禁。
なので一日中、点滴をしなくてはいけません。
トイレにも行けず、おむつをして24時間ずっとベッドの上で点滴です。
それだけでも随分辛いだろうことは想像できました。
ただ、私が病院に到着した時には母は落ち着いていて、割と元気そうに見えました。
5時間ほど病院にいましたが付き添いはできないため、母に「明日また来るから」と言って帰ろうとした時のこと。
「隣のベッドのカーテンの後ろに、大柄の男の看護師がずっと立ってるのよ」と母が言うのです。
「嫌がらせで立ってるのよ。まだいるの?」と何度も私に聞くんですね。
何度見てもそんな人は立っていなくて、おかしなこと言ってるなと気になったのですが、後ろ髪を引かれつつも私は実家に向かいました。
そして、翌朝の4時過ぎ。
病院から母が暴れているので来てほしいとの電話があり、あわてて飛び起きてすぐさま病院へ。
そこで見た母は今までに見たことのない鬼のような形相の母でした。
看護師さんの説明によると、母が自分で点滴の管を引っこ抜き、ベッドを血だらけにして立っていたそうです。
危険を避けるため、看護師さんは母をベッドにベルトで固定したそうです。
すると母が暴れだして、大きな声で暴言を繰り返したということ。
もうすっかりボケボケの母ではありますが、人に暴言を吐いて暴れるような認知症状は今まで全くありませんでした。
なので看護師さんの話はショックでしたし信じたくありませんでしたが、私の目の前でも、母は大声で看護師さんに向かって暴言を吐いていたのです。
母の言っていることは辻褄が全くあっておらず、看護師さんの話を信じないわけにはいきません。
頭を下げる私に、看護師さんはこう説明してくれました。
「高齢の患者様にはよくあることで、だいたい入院3日目~1週間くらいの間に、認知症の症状が急に強く表れるようになったりするんですよ。幻聴とか幻覚とか。しばらくすると徐々に落ち着いていくことが多いんですけどね」
とのこと。でもまれにそのまま認知症の症状が強くなっていってしまうこともあるそう。
あー、とうとう来たか~。
というのが正直な感想でした。
両親が歳をとってからは、できるだけ手伝いに行ったりいろいろ心配したりはしていましたが、今まで割と元気に自分たちの事はできるだけ自分たちでやってくれていたので、心配しながらも、私は私の生活を好きに送ることができていました。
でもついに、そうはいかなくなるのか~、と本気で覚悟を決める時が来たと感じました。
正直、今まで先の事はあまり考えないようにしていたところがあったと思います。
抗うつ剤の怖い副作用
結局、母は、「今すぐ家に帰る!こんな病院にはいられない!」を繰り返し、病室に戻ろうとしませんでした。
ちょっと無理矢理ではありますが、担当の先生と相談し、その日のうちに退院させてもらいました。
家に帰ってきて大分、落ち着いたものの、何で私があんなことされなきゃいけなかったんだ!と怒りは収まらない様子。
その日一日、看護師さんの悪口を言っていました(;゚Д゚)
ところが一夜明けると不思議なほどに、昨日のことについては一切触れず、いつもの母に戻っていました。
私の言うことも素直に聞き、「ありがとね」という言葉まで言ってくれました。
こんなに簡単に戻るものなのか。
ちょっと不思議に思っていたところ、父が母の昨日のあの症状は、抗うつ剤を急にやめた副作用だったのではないかと言い出しました。
父の話によると、つい最近かかりつけの病院で認知症の心配はなしととの診断を母が受けていたそうで、父は昨日の母の症状は認知症じゃないのではないかと思い、いろいろ調べたんだそうです。
すると、抗うつ剤を常用している人が、急に抗うつ剤をやめてしまうと、幻覚や幻聴といった症状が現れることがあるという情報を見つけました。
実は母は何十年も前からたくさんのクスリを飲んでいますが、その中に抗うつ剤も入っていました。
今回の入院で、水を飲むことも一切できなくなり、当然、クスリを飲むこともできず、抗うつ剤も急にやめてしまっていたのです。
あー、もしかしたら、それかも~と思いました。
クスリの副作用って本当に怖いんですよね~((+_+))
でも、それなら病院の先生とか看護師さんがわかりそうなもんだと思うんですけどね。どんなクスリ飲んでるか全部伝えてありましたし。
これが意外とわからないんですよね。自分の専門外は本当に知らなかったりする。
今回の母の担当の先生は悪い先生ではないと思いますが、やっぱり病院任せにするのは怖いことだと思っています。私自身も沢山の病気を経験し、それを実感しているので。
長期的にクスリを飲んでいる方は、それがどういう作用をするものか、どんな副作用があるのかを、自分できちんと調べて把握しておくことをオススメします!
自分にできることをやる
今回の母の認知症状は抗うつ剤の副作用による幻覚だったのかもしれませんが、今までにない母の姿を目の当たりにして、これからの事を真剣に考えなくてはいけない時が来たのかもしれないと感じました。
今は両親とも何とか自分たちで生活してくれていますが、いつかはどちらかが先にいくことになる。
そうなったときどうするのか。
今回の母のように、認知症の症状がどんどん強くなっていったらどうするのか。
きっと今考えても答えは出ないのかもしれません。
「認知症 介護」と検索すると実際に介護をされている方の声がたくさん出てきます。
みんな、悩んだり苦しんだりしながら、闘っているんですよね。
正直に言って、今回の事でかなり不安になりました。本当に認知症になって、私の事も分からなくなったりしたらどうしようとか、私は母を介護できるんだろうかとか。
実は今もちょっと不安で、全く覚悟なんてできていません。
それでも、私にできることをやる。
「できないことをやろうとしても苦しいだけ。この状況が10年続いたとしてもできることをやろう。」そう言ってくれた旦那さんと話し合いながら協力しながら、どんな時でも前を向いて進んでいきたい。
人生は試練の連続、学びの連続ですね。
これからも沢山の出来事が待ち受けているんだろうな。
ちょっと不安だけど、きっと乗り越えていけると信じて。
そしてできれば、母がこれ以上辛い思いをせずに、穏やかに暮らせますように。
何だか今日は取り留めのない話になってしまいました。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
たま子