ちょうど乳首と鎖骨の中間くらいに蚊に刺されたような跡がありました。
でも、痒くもなければ痛くもない。
なんだろうな~と気になってはいたものの、まさかこれが「腫瘍」だとは、その時は夢にも思いませんでした。
まさか、私がガンになるなんて…!
驚きとショックと不安でいっぱいになった6年前。
何かにすがるような思いで、ガンに関しての情報をネットで検索しまくっていました。
ガンを経験した方々の情報は、あの頃の私の何よりの助けであり、励ましでした。
いつか私も、ガンやその他の病気で不安な思いを抱えている方に、私の経験を伝えることが出来たら…。
そう思いながらも、何をどう伝えて良いのか分からず、このブログを立ち上げてからも、なかなかガンになったときのことは書けずにいました。
手術から今日でちょうど6年。
今日は「隆起性皮膚繊維肉腫(りゅうきせいひふせんいにくしゅ)」というガンになったときのことを、ゆっくりと丁寧に思い出しながら、私の経験談をお伝えしたいと思います。
ただし、あくまでも私個人の経験談であり、ネットで収集した情報も含まれていますので、医学的に信頼できる情報ばかりではありません。
また、同じ「隆起性皮膚繊維肉腫」と言っても、人によって、できる場所や大きさなども異なり、治療法も異なります。
この記事は参考程度にお読みいただき、ご自身の病状については担当医とよく相談されることをお勧めいたします。
少し長い記事になりますので、目次をご覧いただき、興味のあるところからお読みいただければと思います。
目次
初期症状からの経緯「虫刺され?→良性→悪性腫瘍」でいきなりのガン告知!
こんにちは。たま子です。
手術から今日でちょうど6年が経ちました。
胸のところに蚊に刺されたのような跡ができていることに気づいたのは、おそらくガンの手術を受ける1年以上前のことだったと思います。
その時は本当に蚊に刺されたのかな~くらいな感じだったので、病院に行こうと言う気も全くありませんでした。
ただ痛くも痒くもないのにプックリと盛り上がっているしこりのようなものが、ずっと消えずにあったので、どうやら蚊に刺されたわけではないことは明らかでした。
その蚊に刺されたような後を見つけてから、おそらく半年か1年ぐらい経った頃、なんとなくそのしこりが徐々に大きくなってきている気がして、やっと重い腰を上げて検査に行きました。
しこりの細胞を採取!この検査が思いのほか痛かった!
場所が胸の上の方だったので、まず疑ったのは乳がんでした。
病院に問い合わせ、症状を説明したところ、やはり乳腺外来を受診するようにと言われました。
そこではマンモグラフィーの検査もしましたが、異常なし。
おそらくただの良性の腫瘍だろうと言われましたが、念のため細胞を採取して検査をすることになりました。
あまり良く見ることが出来なかったのでわからないのですが、多分、注射器のようなものでしこりの中のほうの細胞を採取したと記憶しています。
これがとにかく痛いのなんのって!本当に痛かったです!
痛くて痛くて「痛いー!」と叫んでいたら、先生が途中で「もう少し採取したいところだけど、もういいや」と言って採取を中断したほどです。
ガンの病理検査をする時はこんなに痛い思いをするものなんでしょうか?
それとも悪性の腫瘍だったからこんなに痛かったんでしょうか?謎です。
診断結果は良性!と思いきや…!!!
それから1~2週間して検査結果を聞きに行ったところ、「おそらく良性なので放っておいていいよ~」と言う診断結果でした。
「おそらく」と言うのは、この検査は判断がとても難しいらしく、検査結果を正確に言うと「グレー」だったそうです。
「悪性の可能性がないとは言い切れないが、恐らくは良性と思われる」というのが正確な診断のようです。
何はともあれ、ひとまずは安心して、お医者さんが言った通り、心配せずに放っておきました。
が、しかし!
それから半年ぐらい経った頃でしょうか。
そのしこりがみるみる大きくなり、形もいびつに変形してきました。
そしてついには痛みを覚えるようになってきたのです。
という疑問が湧き起こりました。
とても怖くなって、病院に行くと、
すぐに大学病院の皮膚科を受診するように
と言われました。
と、不安な気持ちを隠しながら、大学病院に直行しました。
大学病院の皮膚科の教授に診察していただいたところ、
「あ~これはすぐに手術だね」
と同席していたもう一人のドクターと話し始めました。
と、呆然としていた私に、先生はあっさりと、こうおっしゃいました。
ガンてどういうこと?!
良性の腫瘍じゃなかったのーーー?!!!
ガンの告知って言うと本人に直接言わずに「ご家族の方を呼んでください」とか言うんだとばっかり思っていたので、あっさりと「ガンです」と言われたときにはポカーンとしてしまいました。
意外と今はあっさりと告知するものなんでしょうか?
それとも私の場合、転移などはしにくいと言われている割とおとなしいタイプのガンだったからなのか…?
とにかくやっぱりガンと言われたときにはとてもショックでした。
うちの旦那さまに泣きながら電話をして「ガンだった」と伝えましたが、「大丈夫だから」ととても落ち着いた声で言ってくれました。
なので、私はとても安心することができましたが、実はその旦那さまもかなり気が動転していたようで、その日、自分が企画して開催する予定だった会議をすっかり忘れて、すっぽかして帰ってきてしまったそうです。
ガンは今や2人に1人は経験する病気と言われるようになり、決して珍しい病気ではありませんが、やはりいざガンと告知をされたら、本人はもちろん、その家族だって冷静ではいられない、深刻な病気であることに違いはありませんよね。
隆起性皮膚繊維肉腫ってなんだ?その治療法は?
私が経験したガンは「隆起性皮膚繊維肉(りゅうきせいひふせんいにくしゅ)」といいます。
隆起性皮膚線維肉腫
皮膚の真皮を構成する線維細胞の中から発生することが多い肉腫です。
転移する力は元来弱いので、原発巣の初回手術で23センチメートルから3センチメートルの余裕をもって切除して治してしまうことは大切ですが、切除の大きさよりも十分な深さで切除してしまうことがもっと重要です。
再発を繰り返すと、みえないがん細胞がばらばらに散らばったり、もともとの細胞の性質が変化して悪性度が増したりする傾向があり、注意が必要です。
※3行目の「23センチメートルから3センチメートル」のところはおそらく「2センチメートルから3センチメートル」の誤りではないかと思われますが、原文のまま引用させていただきました。
担当医からは、「隆起性皮膚繊維肉腫」は、割とおとなしいガンで「再発はしやすいが、転移はしにくい」という説明をうけました。
日本では皮膚がんの患者数自体が少なく「希少がん」の部類に入るんだそうです。
その中でも「隆起性皮膚繊維肉腫」はさらに症例数が少なく、初期症状では良性のしこり(粉瘤、皮膚繊維腫など)と診断されてしまうことも多いようです。
こんなメモを書きながら担当医がどんな手術になるかを説明してくれました。
私の場合は鎖骨と右乳首のちょうど中間くらいの場所にできましたが、背中やお腹などの体幹部にできる方が多いようで、中には腕や脚、頭などにできる場合もあるそうです。
ネットで調べたところ、転移する確率は4~5%程度と低く、原因ははっきりしていないようです。
再発を防ぐためには、かなり大きく肉をえぐり取る必要があり、胸のところにぽっかりと大きな穴が開く事は覚悟しなくてはいけませんでした。
入院~術後の経過まで 費用や保険についても
余談ですが、私が入院した6年前の5月21日、この日は「金環日食」でした。
日食とは太陽の手前を月が横切るために太陽の一部、または全部が月によって隠される現象で、皆既日食や金環日食はめったに起こらない珍しい現象だそうです。
なので、この日は日本中が大いに盛り上がり、テレビでも中継されたりしたので、覚えている方も多いのではないでしょうか?
ちなみに次に日本で金環日食がみられるのは2030年6月1日で、北海道でしか見ることはできないようです。
6年前の5月21日、私も朝早くからサングラスを3つぐらい用意して(日食を観察するときは本当はサングラスではいけないそうです!)ベランダでスタンバイ。
しっかりと金環日食を観察してから、私はガンの手術を受けるために、大学病院に入院しました。
初めての全身麻酔
手術といえば、中学時代に扁桃腺の切除手術を受けたことがありましたが、入院するのもそれ以来でした。
入院手続きは特に面倒なこともなく、その日は手術の説明を受けたり、色々誓約書を書かされたりしていました。
全身麻酔をしての大きな手術は生まれて初めてのこと。
手術室に入ったときには、まるでドラマのワンシーンを見ているような気分でした。
手術中はもちろん全く意識がありません。
後で思ったのは、
ってこと。
まあ、先生方を信頼するしかないんですけどね。
何が行われていたのか全く分からないうちに手術は無事成功!無事生還しました。
この入院中に一番つらかったこと、それはカテーテル!
手術後はすぐに意識が戻り、家族と話をすることもできましたが、尿道にカテーテルがつけられており、これがとにかく不快でした!
私がこの入院中に一番辛かったことを上げるとしたら、ダントツでこのカテーテルです。
この尿道カテーテルは、手術中に挿入され、術後のトイレに行けるようになるまでの間、使用するものだそうですが、これがズキズキとした痛みを伴い、なんとも不快極まりない!!!
「明日になればきっとすぐに外してくれるはず!」と思いながら、その日は殆ど一睡もできずに朝を待ちました。
が、しかし、なんと次の日も外してくれなかったのですよ~!!!
ま、次の日には大分慣れてきて痛みも少なくはなっていたんですけどね。
とにかく、このカテーテルを外してもらうまでの2日間が私にとっては一番つらい時間でありました。
その後は栄養バランスの取れた病院食のおかげか、順調に回復していきました。
これも余談ですが、もしこれから入院の予定がある方で、特に食事制限等がない場合は、ちょっと高級な「美味しいふりかけ」を持って行くと病院食も美味しくいただけますよ♪
デパ地下で売ってるちょっとお高めのごま塩とかも、お見舞いに持っていくのに超おススメです!(くどいようですが、食事制限がない場合に限ります!)
それから、実は、この入院をきっかけに、便通が驚くほど良くなりました!
やっぱりそれまでは栄養バランスが取れていなかったんでしょうね~。
これは入院して一番良かった点と言えます。
こうして順調に回復し、元気になってくると、毎日が退屈で、早く退院させて~と思うようになるのですが、私の場合は結局、2週間の入院生活となりました。
入院・手術の費用は?
入院・手術にかかった費用ですが、領収書を既に処分してしまったようなので、正確な金額はわかりませんが、私が支払った費用は8〜9万円くらいだったように記憶しています。
ご存知の方も多いと思いますが、日本には高額療養費制度という、有難い制度があります。
高額療養費とは、同一月(1日から月末まで)にかかった医療費の自己負担額が高額になった場合、一定の金額(自己負担限度額)を超えた分が、あとで払い戻される制度です。
70歳未満の方で、医療費が高額になることが事前にわかっている場合には、「限度額適用認定証」をあらかじめ提示すれば、一時的に自己負担する必要もなくなります。
自己負担限度額は収入によって異なります。
この高額療養費制度のおかげで、大きな手術を受けても、10万円も支払わずに済んだわけなのですが、ここでの注意点は、高額療養費制度は、同一月にかかった医療費が対象になるという点です。
私の場合、入院したのが5/21で退院したのが6/3だったので、6月に入ってからの入院費用は普通に支払いました。
できれば、5月中(ひと月の間)に退院したかったな~と、後で思いました。
ちょっと損した気分?
ガン保険ってやっぱり必要?
私が加入していた保険は「3大疾病特約」というのがついていたので、手術から1-2ヶ月後には、結構まとまった金額の保険金の支払いがありました。
生命保険には25歳の時から加入していて、1度も給付を受けたことはなかったので、「保険料高いし、これって本当に必要かな?」と思ったこともありましたが、ガンになった時は、このまとまった保険金があってとても助かりました。
というのも、入院、手術よりも、退院してからの方が何かと大変だったからです。
ガンによっては、抗がん剤治療が必要な場合もあると思いますし、私の場合は退院してからの方が体調が悪い日が多く、仕事にもなかなか完全に復帰することができませんでした。
そんな時にまとまった保険金が入ったことで、少なくとも数ヶ月はお金の心配はしなくて済みました。
一度ガンになってしまうと、その後入れる保険は殆どなくなってしまうので、そういう意味でも、やはり保険には入っていて良かったと思っています。
ただ、前述したように、高額療養費制度もありますので、入院保障が高額なものより、ガンなどの手術をした場合の一時金が出るものの方が、いざという時に助かるんじゃないかなと思いました。
保険に入るときはその辺も念頭において調べてみることをオススメします。
㊗退院!と思ったら再発告知?そりゃないよ~
入院から2週間後に退院が決まり、やっと我が家に帰れる~♪と喜び勇んで帰る準備をしていたところ、看護師さんが「先生からお話があります。」と呼びに来ました。
退院後の注意事項か何かの話だろうと思って行ってみると、先生が「説明書」を見せながら術後の病理検査の結果を説明してくれました。
それによると、
・病理検査の結果は間違いなく「隆起性皮膚繊維肉腫」というガンであったこと
・再発することは多いが転移はまれであること
・今後、再発した場合には更に広げて切除する可能性があること
・今回の手術では(切除した)一番下の部分はギリギリであったこと
が書かれていました。
先生の説明を何の気なしに聞いていた私ですが、先生が「もう一度手術しましょう」とおっしゃった時は、自分の耳を疑いました。
やっと帰れると、朝から浮かれていた気分が真っ逆さま!
奈落の底に突き落とされた気分でした。
絶対再発したくない!そのためにしたことは?
先生は今すぐ再手術を受けることをすすめられましたが、再発する可能性は100%とは言えないとのことでした。
再発する可能性がかなり高いが、再発しない場合ももちろんありえると。
「再発したらその時は諦めて、おとなしく手術を受けます」と先生に伝え、予定通りその日の午後に退院しました。
術後は焦らず、ゆっくりと回復を待つべし!
久しぶりの我が家に戻り、嬉しいやら悲しいやら不安やら、ちょっと複雑な気分でしたが、実は退院してからの方が何かと大変でした!
入院中は何もやることがなくて「上げ膳据え膳」だったので、とても退屈で、病院内をちょこちょこ歩き回っていたのですが、病院内を歩くのと、買い物に行って荷物を持って歩くのとでは大違い!
ご飯も自分で作るか買ってこなきゃ出てこないし。(旦那さまが色々手伝ってはくれましたが…。)
早く退院した~い!と思っていたけど、日常生活って実はかなりの労働なんだということを初めて実感しました。
また、私はその当時、スポーツジムの店長をやっていて、その責任感から、少しでも早く仕事にも復帰しなければと焦っていました。
そして、手術から2ヶ月も経たないうちに、仕事に無理矢理復帰しようとして、結果、体調を崩しまくってしまいました。
できることなら、術後はできるだけゆっくりと休養をとった方が回復が早いと思いますし、自分のためにも、周りに迷惑をかけないためにも、無理して早く復帰することは避けるべきだったと今は反省しています。
術後、本当に体力が回復するのは3年後とか5年後とか言われているそうです。
実際私も、本当に元気になったな~と思えたのは、手術から5年くらい経った頃だと思います。
仕事も大事ですが、術後は焦らず、ゆっくりと回復を待つことが大事だと学びました。
今も続けている再発しないための食事法
入院中は傷口に分厚いガーゼが貼り付けられていて、お風呂にも入れなかったため、傷口を自分で確認することもできませんでした。
退院して、まずやったのは、もちろんお風呂に入ること。
で、その後、覚悟を決めて鏡の前に立ちました。
初めて見た傷口は、思っていた以上に大きくて、深くて、覚悟していたとは言え、やっぱり涙が出てきました。
もし再発したら、これよりもっと大きく深く切除しなくてはいけない。
絶対に、どうしても、再発なんかしたくない!!!
それからは、今まで以上にガンに関する情報をネットや本で見つけたり、ガンの経験者である知人から聞いたりしては、色々な健康法を試しました。
残留農薬や添加物、白髪染めの危険性などについて気になり始めたのもこの頃からです。
そして、実際に私が試した沢山の健康法の中でも、これは私の体に良い効果をもたらしたのではないかと思ったのは何よりもこれです!
「ニンジン(とリンゴとレモンの)ジュース」
「ゲルソン療法」という言葉はどこかで聞いたことがあるのではないでしょうか。
ゲルソン療法とは、ドイツのゲルソン医師が1930年に開発した食事療法で、大量の生野菜ジュースや塩抜きの食事を中心とした食生活を続けることで、多くの方がガンを治癒した実例があると言われています。
私はガンになったときに、こちらの本↓と出会い、「ゲルソン療法」や「ニンジンジュース」のことを知りました。
「ゲルソン療法」や「ニンジンジュース」の詳しい作り方などはまた別の機会にご紹介したいと思いますが、私は再発したくない!という一心で、この「ニンジンジュース」を3か月間、毎日1リットル以上飲み続けました。
ニンジンジュースの詳しい記事はこちら↓
「ニンジンジュース実践記 ガンの再発予防に効果あり?!【レシピ付き】」
一時、カロテンの摂りすぎか、手が黄色くなってきてしまい、お医者様に飲むのを控えるようにと言われたこともありましたが、私はこのジュースを飲むようになってから、本当に一度も便秘になったことがありません。
このジュースだけではなく、他にも色々試していたので、これだけが良かったというわけではないかもしれませんが、このジュースのおかげで体の中から不要なものが大分出て行ってくれたんじゃないかという気がしています。
今でも週に3日くらいは旦那さまと一緒に飲むように心がけています。
あとは、主食を白米から玄米に変えました。
ただ、玄米については色々と注意点もありますので、これもまた別の記事として詳しく書きたいと思っています。
その他にも、それまで殆ど食べたことのなかった鶏むね肉を多く使うようにしたり、塩分は1日6g以内を意識してなるべく使わないようにしていました。
もちろん野菜をとにかくたくさん取るように心がけました。
現在はだいぶゆる~い感じではありますが、なるべくこれらの食事法を意識するようにしています。(甘いものやジャンクフードも大好きなので日々反省もしていますが…。)
手術から今日で丸6年。
この食事法のおかげか、ニンジンジュースのおかげかは分かりませんが、ガンの再発はしていません。
再発するのは通常は治療後3年以内と言われているので、5年を超えた頃、先生からも「もう安心ですね。」と言っていただきました。
ただ、10年経ってから再発したという稀な例もあるので、年1回くらいは今後も健診を受けた方が良いそうです。
病気になって良かった?ガンになって思ったこと。
かなりの高確率で再発すると言われていたガンでしたが、私の場合は幸いにも再発せずに、今はすっかり元気に生活することが出来るようになりました(今は更年期に悩まされておりますが…)。
よく、大病をした人が「病気になって良かった」と言うのを耳にすることがありますが、私も今回、本当にそう思いました。
でも、これは私のガンが比較的おとなしく、抗がん剤治療も必要とせず、再発もしなかったから言えることかもしれません。
再発や転移を繰り返し、抗がん剤治療で本当に辛い思いをされている方もいらっしゃると思います。
一昨年、乳がんになってしまった私の古くからの友人は、手術の時にはすでにリンパに転移していて、抗がん剤治療を余儀なくされました。
しかし、抗がん剤が体に合わず、とても苦しい思いをしていたのを、私は間近で見ていました。
今も彼女は再発の恐怖と闘っています。
私もそういう辛い状況にいたら、「病気になって良かった」なんて言えないんじゃないかとも思います。
もちろん、病気になんかなりたくないし、ならない方がいいです。
ですが、私の場合は、大きな病気を経験したことで分かったこと、学んだこと、感謝したことが本当に沢山あって、失ったもの以上に得たものが多いように思えたのです。
自分が、食生活や自分自身の体に無頓着だったことも知り、大きな病気を抱えている方の不安な気持ちや状態を理解できるようになり、そして自分が、本当に沢山の愛情に囲まれて生かされているということにも気づきました。
なので、「病気になんかなりたくない」けど、「病気になって良かった」というのが私の素直な気持ちです。
ちょっと矛盾してますけどね💦
もしかしたら、今、このブログを読んでくれているあなたも、大きな病気を経験して、不安な思いを抱えていらっしゃるのかもしれません。
でも、あなたが手を伸ばせば、あなたに勇気や知恵を与えてくれる人や、あなたの事を心配してくれる人が沢山いることに気がつくはずです。
きっとあなたは、沢山の愛情に囲まれて生きている。
どんなに辛い時でも、辛い時だからこそ、あなたの周りの幸せを感じて欲しいと思うのです。
ちょっと偉そうですかね?
どうかこのブログが、病気で不安な思いをされている方やそのご家族の、少しでも参考になる事を願っています。
かなり長い記事になってしまいました。
最後まで読んでいただき、本当に本当にありがとうございました。
たま子